この記事は、以下の記事の続きです。
クリップボードのリストを管理するiOSショートカットのレシピを紹介する。
前提ーData JarとActionsのダウンロード
今回のレシピでは、Data JarとActionsというアプリを使用するので、ダウンロードが必要。これらのアプリはiOSショートカットを補助するアプリで、詳しい使い方については以下の記事を参照のこと。
Data Jarで定型文のデータ保存先をつくる
今回のレシピのポイントは、以下の2点。
クリップボードの履歴と事前に登録しておく定型文とを一緒のリストとして扱えるようにする。
どうせクリップボードの履歴を管理するレシピを作るので、定型文を事前に登録し一緒に呼び出せるようにしたい。ただし、データのクリアを考えると、クリップボードの履歴を保管する場所と定型文を保管する場所とは別にしておきたい。
前回の記事で、クリップボードの履歴を保管する保存先は作成したので、今回は定型文を保管する保存先の作成から始める。前回と同様、Data Jarを使用する。
右上のプラスボタンか、右下のAdd Valueを選択

データ型はListを選択し、Keyを「SampleTemplate」とする

これで定型文を登録しておくデータの保存先ができた。定型文をいくつか保存しておく。iOSショートカットで登録するレシピをつくっても良いが、Data Jarで簡単に登録できるので、定型文をいくつか登録しておく。
「Add Value」を選択する

データ型で「Text」を選択し、任意のValueを入力。ひとまず今回は定型文1とする

同様の手順で好きなだけ定型文を登録しておく。私はメールアドレスとか、住所とかそうしたものを登録している。
iOSショートカットでアクションを組む
- クリップボードのリストに値があるかをチェック
- 定型文のリストとクリップボードのリストを結合
- クリップボードのリストをクリアするか選択したテキストをクリップボードにコピー
クリップボードリストに値があるかチェックする

クリップボードのリストについては、データが存在しない可能性がある。そのため最初にデータが存在しているかいないかをチェックすることにする。
Data Jarの「Check if Value Exsists」アクションを使用して、クリップボードのリストにデータが存在しているか、チェックする。
次に、「if文」アクションを使用する。データが存在する場合は、「Get Value」アクションを使用してクリップボードリストの値を取得する。存在しない場合は、「何もしない」アクションを入れておく。
ここまででクリップボードのリストのデータを取得できた。
定型文のリストとクリップボードのリストとを結合する

クリップボードのリストと定型文のリストを結合するアクションを組んでいく。まず、Data Jarの「Get Value」アクションを使用し、定型文のリストの値を取得する。
次に、Actionsの「Combine Lists」アクションを使用し、クリップボードのリスト(今回は、「Virtual Clipboard」)と定型文のリスト(今回は、「Sample Template」)とを結合させる。
クリップボードのリストは、重複した値が含まれている可能性がある。そのままにしておいても良いが、リストが長くなってしまうので、「Remove Duplicates from List」アクションを使用して重複を削除する。
最後に、「Add to List」アクションを使用し、「定型文のクリップボードをクリア」という言葉をリストの最初に追加しておく。これは、次以降のアクションで、クリップボードのリストを削除する機能を追加するための準備。
結合したリストの中から選択する

「リストから選択」アクションを使用し、結合したリストの中から1つ選択する。例えば、以下のようなメニューが表示される。

リストの先頭は、「定型文以外のクリップボードをクリア」。これを選択した場合は、DataJarの「Delete Value」アクションでクリップボードリストのデータを削除する。今回のレシピでは、定型文のデータ保存先とクリップボード履歴のデータ保存先とを分けてあるので、クリップボード履歴のデータのみを削除することができる。Data Jarアプリからデータを直接削除しても良いが、iOSショートカットのレシピに組み込んでおくと便利。
その他のものを選択した場合は、選択したテキストをクリップボードにコピーする。
以上で、クリップボードの履歴を管理するレシピの紹介は終了。解説が長くなってしまったが、実際に使うと、とても便利。


